こんにちは、とまとです。今回は、私のプチ卒業旅行のお話です。
登場人物
ミキ・・・大学4年生。当時オランダ人の元留学生と遠距離恋愛中
さやか(私)・・・大学4年生。当時彼氏なし、遊びはちょこちょこ
モテるバイセクシュアルと卒業旅行へ
私とミキは、学部は違いましたが、3年生のときのある授業で同じグループになったのをきっかけに仲が良くなりました。
ミキは活発的&社交的で、すごくモテるのですが、彼女の恋愛対象は、「背の高い白人男性」or「小柄の女の子」。理想の高いバイセクシュアルなのです(笑)
そのため、学内の男の子のほとんどは彼女の恋愛対象外で、女の子は気になる子がいてもその子に恋愛対象としてみてもらえない、という状態でした。
いつも人に囲まれていて人気者ですが、少しさみしさやもどかしさを抱えている子でした。
一方の私は、恋愛対象は男性ですが、これといってタイプもなく、思いっ切り誰かを好きになったこともまだなく、テキトーに遊んでいる能天気な大学生でした。良く言えば若さを謳歌していました。悪く言えば、まあ、ビッチでしょうか(笑)
さて、学内で会うことは少なかった私たちですが、よく一緒に遊びに行っていました。そして、とある有名観光地に2人とも行ったことがないことが判明したため、じゃあ卒業旅行的な感じで2人で行こうか、となったときのお話が今回のメインです。
ミキからの誘惑
1泊2日の旅行です。私たちは朝まで遊ぶことはよくありましたが、どこかに一緒に泊まるのは初めてでした。
駅で待ち合わせてからバスで一緒に向かい、夜まで街を観光したあと、旅館に向かいました。
古くて小さな、どちらかというと民宿のような旅館ですが、貸し切りできる露天風呂が気に入って予約していました。
冬だったので、寒いだのなんだのキャッキャしながら、2人で露天風呂を楽しみました。お湯につかったり、お湯から出て夜風に当たったりしながら、お互いの就職先の話や、恋愛話をしました。
私たちが恋愛について語るときは、基本的にミキの話が中心です。仲良くなってから割りとすぐ、自分が実はバイセクシュアルであることを打ち明けてくれていました。
周りに女の子への恋愛感情を話せる人が少なかったからか、今付き合っている彼氏との話よりも、「同じ学部のあの子のここが好き」「バイト先のお姉さんがタイプ」とか、そんな話をよく聞いていました。
大体は笑える話ですが、たまに切ない話もあって、特に酔っぱらったときなんかは、お互いちょっと泣きながら語ったこともあります。
本人にしっかりと確認したことはありませんが、たぶんミキは、どちらかといえば女の子のほうが好きだったのだと思います。
露天風呂でも、大学時代を振り返って、気になる女の子に彼氏ができて喜んだフリをするのが苦しかった話、海外でレズビアンやバイセクシュアルの女の子たちがオープンに交際しているのを見て刺激を受けた話などを聞きました。
随分リラックスしてから部屋に戻ると、思っていたよりも疲れていたようで、すぐに2人とも布団に入りました。
しかし、布団に入るとなぜか眠くなくなるもので(笑)、結局またグダグダといろいろな話を始めました。
そんな中で、ミキにあることを聞かれました。
ミキ「そういえばさ、さやかは女の子に全然興味ないの?」
私「う~ん、全然とは言い切れないのかも。たまにレズビアンのAVとか見るし、女の子とキスしたことあるけど、別に嫌じゃなかった、っていうか、結構盛り上がったしね」
ミキ「そっか~……」
ここで、少し沈黙が続きました。
ミキ「たぶんさ、私たちってこの旅行が2人でちゃんと遊ぶの最後だよね」
私「そうだね、お互い実家帰ったり就職の準備とかあるし」
ミキ「なんていうか、あのね、さやかは本当に大切な友達なんだけど」
私「うん」
ミキ「その……そっち行ってもいいかな?」
うん、と答えると、ミキが私の布団に入ってきました。
暗い部屋の中でしたが、外の光でお互いの顔がぼんやりと見えます。
しばらく黙って見つめ合っていましたが、遠慮がちにミキが私の腰や背中を撫でてきました。
私も、避けずにされるがままにしていましたが、段々ミキがかわいく思えてきて、ミキの髪の毛を撫でて、まっすぐ見つめ合いました。
ミキの顔が少しずつ近づいてきましたが、逃げませんでした。
少しだけ唇が触れました。キスというよりも、本当に、偶然ちょっと唇をかすったような、遠慮したような触れ方でした。
きっと私から動かないと、ミキからはこれ以上何もしてこないんだろうな、と思いました。私はミキのことを恋愛対象として見ていませんし、大事な友達です。
だから少し迷いました。でも、それはきっとミキもわかっていることで、それでも今きっと最後に勇気を出したんだろうな、と思いました。
私「キスだけ。パンツの中に手入れるのは、なしだよ」
そう言って、私のほうからミキにしっかりとキスをしました。舌を入れたのはミキのほうからです。
きっと5分くらいの短い時間だったと思います。ですが、お互いに興奮して腰をモゾモゾ動かしながら、一生懸命キスしました。お互いの吐息と舌の動きあう音、布団の中で浴衣がこすれ合う音だけが響いていました。
突然パッと唇を離すと、ミキは、「ありがとう」と言って、自分の布団に戻りました。
パンツの中が濡れて気持ち悪かったのですが、拭かずに、私も「おやすみ」と言って寝ました。
翌朝起きても、帰りのバスの中でも、その後1回会ったときも、このときのキスの話はしていません。今もたまに連絡を取りますが、それでも、お互いこのことはなかったかのように振舞っています。