中学生の頃、ある友人から無修正のポルノ雑誌を見せてもらったことがありました。普通のマンションの一室で絡み合う全裸の男女。男性器と女性器が結合している生々しい瞬間が映し出されたその写真に、ぼくはかなり衝撃を受けたものでした。
それから4、5年が経って大学生になったぼくは、あるとき、あの雑誌で見たのと同じような生々しい光景を、現実に目の当たりにすることになったのです。
山奥の写真スタジオ
大学時代、ぼくは大阪の実家を離れて京都で一人暮らしをしていました。嵐山まで徒歩20分くらい、アパートの窓からは桂川の流れを見下ろすことのできる、けっこう自然に囲まれた場所で生活していました。
その夏休み、同じ大学の友人から「ちょっと面白い写真スタジオがあるんやけど行ってみない?」と誘われ、お盆休みに実家に帰省するまでまだ1週間あったので、暇つぶしに彼について行ってみることにしたのでした。
その年は例年にないくらいの猛暑で、京都では最高気温が40度に達する日もありました。
汗だくになりながら山奥のほうまで坂道を登っていくと、古い民家ばかりが並ぶ集落があり、その一角にぽつんと離れて立つ三角屋根のログハウスがありました。
赤い屋根の大きなログハウスで、キャンプ場にあるバンガローみたいな感じでした。
もともとはオーダーメイドの家具を製作している工房だったのが、数年前に所有者が変わり、写真スタジオになったそうでした。
普段はカタログ用の商品や広告用のポスターなんかを撮影しているのだが、不定期にちょっと変わった撮影会もやっているのだと、その友人は言いました。
撮影に参加する場合は事前の予約と参加費がいるが、見学だけなら無料で自由にできるということでした。
「絵画モデルのデッサン、知ってる?あれのもっと過激なやつ」彼はそう言って、にやっと笑いました。
いきなりヌード撮影会が始まった!
スタジオへ行くと、すでに10人くらいの見学人が来ていました。女性も2人いました。初老の男性(この人がスタジオのオーナーだとわかりました)に案内され、彼らと同じように壁際に並べられた椅子に座りました。
ぼくたちの前には、床に腰を下ろしてスタンバイしているカメラを持った男性5人がいましたが、被写体となるようなものはどこにも置かれていませんでした。
5分ほどして、オーナーの男性が両サイドの大きなガラス窓をカーテンで覆いました。暗幕のような濃い色のぶ厚いカーテンで、照明をつけていなかったら室内は真っ暗になってしまうのではないかと思いました。
そのあとオーナーの男性に案内され、隣の部屋からバスローブを羽織った女性が姿を見せました。カメラを持った男性陣が一斉に立ち上がりました。
「本日はよろしくお願いいたします」女性が挨拶すると、男性陣が声をそろえて「よろしくお願いしまーす」と返しました。
とっさに普通ではない雰囲気を感じ取り、いちどは腰を上げかけたぼくでしたが、これからどんなことが起きるのか見てみたいという欲求のほうが勝ってしまいました。
バスローブ姿の女性がどこか淫靡な雰囲気を漂わせていたせいだと思います。ぼくは彼女のこのあとの行動に期待してしまったのでした。
モデルの女性はバスローブを脱ぐと、一糸まとわぬ裸体をぼくたちの前にさらしました。
なんとなく予想はしていましたが、いざそれを目の当たりにして、ぼくは呆然としてしまいました。
となりに座る友人がぼくの肩にぽんと手を置き、「な?」と得意げな表情を浮かべました。
モデルの女性は細身で胸も小さかったですが、均整の取れた体つきをしていました。どことなく女優の栗山千明みたいな顔立ちの美人でした。
ぼくがぽかんとしているあいだにも、どんどんカメラのシャッターが切られ、モデルの女性も男性陣のリクエストで様々なポーズをとっていました。
こんなふうにじっくりと生身の女性の全裸姿を見るのが初めてだった18歳のぼくは、平静を装ってはいたものの、内心かなり興奮していて、股間のモノはすでに固くなっていました。
撮影が進んでいくと、女性のポーズもだんだん過激になっていきました。彼女が床の上でM字開脚の姿勢になったとき、ぼくは思わず前のめりになって凝視してしまいました。
女性のオマ〇コを生で見たのも、もちろんこのときが初めてでした。モデルの女性は妖艶な顔つきで上半身をなまめかしくくねらせると、薄い陰毛に覆われたワレメの部分を自ら指で開いて見せました。
ぼくは彼女の股間をじっと目を凝らして見ていました。ワレメの奥のピンク色が濡れたように艶を帯びていました。
男女の生セックスを鑑賞
「では、ここからは男性のモデルさんにも入ってもらいます」
オーナーの男性に案内され、隣の部屋からバスローブ姿の男性が姿を見せました。
女性モデル同様、この男性モデルもバスローブの下は全裸でした。スポーツマンタイプの精悍な顔つきで、今でいう細マッチョ系の体格でした。ペニスは大きく、だらりと垂れ下がっていました。
カメラを持った男性陣はすでにスタンバイしていました。モデルの男女がちらっと振り向くと、オーナーの男性が小さくうなずき返しました。
ふたりのモデルは向かい合うと、どちらからともなくキスをしました。そして見ているこちらが唖然とするほど何のためらいもなくいちゃつき始めたのでした。
まるでそこには自分たちだけしかいないかのようにまったく自然な流れで、ふたりは濃厚なセックスを始めたのです。
他人が目の前でセックスをしている光景など見たことがなかったぼくは(おそらく多くの人は見たことがないと思います)、今にも卒倒しそうなくらい興奮していました。
ぼくの股間のモノは完全にフル勃起していて、我慢汁が漏れ出ているのにも気づいていました。となりに座っている友人もかなり興奮している様子で、股間に手をあてながら前のめりになってふたりのセックスを鑑賞していました。
床の上で体を重ね合うモデルの男女。男性が女性の乳房をゆっくりとした動きで愛撫し始めました。
「あっ、はぁっ、はぁっ…あぁぁ…」
吐息のようなひかえめな喘ぎ声を漏らしながら上半身をくねらす女性モデル。目を凝らすと、彼女の乳首がつんと固く立ち上がっているのが見て取れました。
男性モデルは手や舌を巧みに使い、女性の体を上から下へとじっくりと時間をかけて愛撫していきました。
男性モデルが女性の両脚を開き、股間に顔をうずめると、「あぁっ!」と彼女はひときわ大きな声を上げました。快感にむせび泣くようなその声に、ぼくは一瞬びくっと体を震わせてしまったほどでした。
「あぁー、あぁーん、あぁぁん、ダメっ、イっちゃう…」
男性モデルの激しいクンニに、彼女は身もだえるように何度も上半身をのけ反らせながら喘ぎ声を上げ続けていました。
先ほどまでは冷静に鑑賞していた年配の見学人たちもみな、さすがに興奮してきた様子で、前のめりの姿勢で覗き込むようにしてふたりのセックスにのめり込んでいました。
ぼくもいつ射精してもおかしくないくらい興奮していて、下半身にぐっと力を入れて必死にこらえていました。
山奥の、ときおり野鳥の鳴き声が聞こえてくるだけの静かな場所で、このログハウスの中だけがまるで別世界であるかのような錯覚に、ぼくは陥っていたような気がします。
目の前で見る生挿入、生中出しに大興奮!
股間を刺激されぐったりしている女性モデルの両脚を抱え上げると、男性モデルは余裕のあるゆったりとした動作で膝立ちの姿勢をとりました。
男性モデルの大きなペニスは、まるで棍棒のように太く固く怒張していました。彼は女性の両脚のあいだに押し入ると、コンドームも装着せずに膣内に挿入しました。
「あぁぁぁんっ!」
女性モデルが甲高い声を上げて上半身をのけ反らせました。生挿入の瞬間を目の当たりにした衝撃が大きすぎて、ぼくは心臓が飛び出しそうになりました。
男性器と女性器の結合部がはっきりと見えていました。中学生の頃、無修正のポルノ雑誌の中に見た生々しい光景が、今まさに目の前に映し出されていました。
男性モデルが腰を動かすたびに膣口から見え隠れする巨大なペニス。ぼくには、それがまるで独立した一体の生物の蠢きのように見えたのでした。
「あっあっあっあっ、あぁぁん…あぁっ!」
男性モデルの腰の動きに合わせて、女性モデルはリズミカルな喘ぎ声を上げていました。互いの下半身がぶつかり合う軽快な音がログハウスの中に響き渡っていました。
正常位から対面座位、バック、そして再び正常位へとスムーズな動作で体位を変えながら、ふたりはセックスを堪能しているように見えました。
周囲に人がいることなど意識していないかのように自然に、ふたりはまるでプライベートでセックスをするみたいに絡み合っていたのでした。
ぼくはもはや興奮を通り越して、放心状態でふたりのセックスを鑑賞していました。フル勃起していた股間のイチモツも半勃起くらいに落ち着いていました。
「あぁーん、ダメ!あぁぁぁっん!」
女性モデルは今にも絶頂を迎えそうな様子でした。
それまで冷静に腰を振り続けていた男性モデルも絶頂が近づいてきたのか、ときおり「あっ、あっ、あぁ…」と声を漏らすようになっていました。
「あっ、ダメっ!イッちゃうっ!」
女性モデルがついに絶頂を迎え、全身をびくっと震わせました。
まもなく男性モデルも限界に達し、「あぁっ、あぁ…」とくぐもった声を漏らすと、フィニッシュしてしまいました。
膣内から溢れ出る精液
フィニッシュしたあと、男性モデルはぐったりと女性の上におおいかぶさりました。ペニスはまだ挿入されたままで、すぐには引き抜こうとはしませんでした。
カメラを持った男性陣も一息ついた様子で、床にぺたんと腰を下ろしていましたが、男性モデルが体を起こすと、男性陣は一斉に腰を上げ、女性モデルの股間のあたりを狙ってシャッターを切りました。
コンドームを装着せずに挿入していましたから、まちがいなく膣内に射精したはずです。膣内から精液が溢れ出てくる瞬間を写真に収めようとしたのでしょう。
しかし、残念ながら精液が溢れ出てくる瞬間を見ることは叶いませんでした。男性モデルが放った精液の粘度が高かったからなのか、膣内に残ったまま出てこなかったのです。
撮影が終わり、モデルのふたりは再びバスローブを羽織ると、カメラを持った男性陣とぼくたち見学人に向かって丁寧にあいさつをし、隣の部屋へと姿を消しました。
「あのふたり、隣の部屋でもう一発やるのかも」友人がぼくの耳元で言いました。
ぼくはまだ半ば放心状態のまま、友人の問いに「そうかもなぁ」と空返事をしていました。
今ではもう見ることのできない懐かしい光景
あれから25年以上が経ちますが、京都で過ごしたあの学生時代の4年間のことはときどき懐かしく思い出すことがあります。
まだあのログハウスは存在するのか、今でもあのような撮影会がおこなわれているのかは定かではありません。
あのあと友人からは「また一緒に行こう」と誘われていましたが、何だかんだと急な予定が入ったり、スケジュールが合わなかったりして、結局一度きりになってしまいました。
しかし、貴重な体験ができたと今でも思っています。40度の猛暑の中、汗だくになりながら山奥まで坂道を登って行った甲斐があったと思います。誘ってくれた友人には感謝したいです。
昨今は都市のクリーン化にともない、怪しげな街並み、怪しげな店や催しがどんどん消えてなくなってきています。
しかしまたいつの日か、あのときの撮影会のような怪しげなものに出会えるのを、ぼくはいつも心のどこかで待ち望んでいます。