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【元風俗店員の】トンデモ客列伝【両刀の客・武藤さん】
アナル風俗ユーザーさんの投稿コラム
前回からスタートしました、トンデモ客列伝。
風俗に来るお客さんが、聖人であるはずはないのですが、
トンデモないお客さんもいるのです。
今回は、僕が被害にあってしまった、あるお客さんを紹介したいと思います。
その恐るべきお客さんは、武藤さん(仮名)。
武藤さんが来たのは、僕が風俗店に勤め始めてから
3ヶ月ほどしてだったでしょうか。
ようやく風俗店という異形の業種にも慣れ始めてきて、
嬢たちの名前も覚えてきたころです。
そんな中、昼過ぎに武藤さんはやってきました。
銀縁のメガネをかけて、髪は現代の七三っぽく丁寧に分けられて、
清潔感のある30代前半くらいの男性です。
ストライブが入った、けっこうよさげな紺のスーツを着ていました。
武藤さんは席に着くと、僕に対して笑顔。
こっちが接客しているはずなのに、
武藤さんのほうが営業に来ている感じです。
そして武藤さんは、口の前に人差し指を立てて、
「しー」のポーズをしました。
僕はわけが分からないまま、とりあえず頷く。
すると、武藤さんが名刺を出してきました。
そこには・・・
「ボーイズ専門ヘルス【アゲイン ボーイ】
マネージャー 武藤」
とありました。
・・・はい???
誰か解説してくれないだろうか・・・。
これ、どういう状況だ??
武藤さんの顔を見ると、
しきりに頷いている。
たぶん誤解されているようなので、
はっきりいってあげました。
僕:「僕は女の子が好きですよ」
すると、
武藤さん:「ええええぇぇ〜!!!???」
いや!ええ〜!!??じゃねえよ!!って話です。
武藤さん:「いやいや、正直にいいなよ!俺には分かってるって!」
僕:「だから!僕はゲイじゃないんですよ!」
武藤さん:「だから!嘘つくなって!」
僕:「だから!嘘じゃないって!」
・・・こんなやり取りが延々繰り広げられました。
10分後。
我慢できなくなったのか、店長が出てきました。
「お引き取り願え・・・・・・ますか」
といってくれたので、武藤さんは退散。
しかし、その日の返り道。
駅を歩いていると、肩に手をかけられました。
びっくりして振り向くと武藤さんの姿が。
武藤さん:「君にはゲイの才能があるんだよ!」
いきなりそんなことを言うので、高円寺駅のみなさんはびっくり。
女子高生にいたっては、声に出して、
「へ〜!ゲイの人だって!」
聞えてるっての!
僕は静かに、
僕:「あの、まじでやめてもらえますか・・・」
武藤さん:「いや!だからほんとに!ゲイになってみようよ!
あ〜いまもそうなんでしょ!?」
完全に高円寺駅の人々に引かれています。
ここまでやられて黙っているわけにはいきません。
しかし僕はガシガシこられるタイプに弱い。
そうなりゃ、あの組織に動いてもらおう!
はい、警察です。
「これ以上しつこいと、警察呼びますよ?」
これです。大抵の人がこれで黙ってくれます。
しかし武藤さんは、最後にこう言いました。
武藤さん:「あ〜、じゃあさ、10万で一回ヤラせてよ!」
僕の心が一瞬動いたのを許してください。
ケツ掘られて10万。
最後は男の矜持が勝利を収めて、断ることに成功。
今となってはほんとによかったと思っています。
女性の売り買いをするお店で、
まさかゲイとしてスカウトされるとは・・・。
そして武藤さん。
なんの因果か、また会うことになるのですが・・・
さて前回は、風俗店で受付をしている僕にナンパ(?)を
してきた武藤さん(仮名)の話をしてきました。
今回は武藤さん編の後編です。
武藤さんがお店にきてから1ヶ月後。
僕は、かつてラジオの放送作家をしていたときの先輩と一緒に飲みにいきました。
その先輩は、そのとき新宿二丁目にハマっていて、
いつもゲイバーで飲んでいるとのことでした。
そうです。あの恐怖が甦ります。
武藤さんです。
とはいえ、新宿二丁目にはたくさんのゲイバーがありますし、
人もたくさんの飲み屋街です。
そう簡単に1人の人間と会うわけがありません。
そこでまあいっかと軽く考え、
先輩と一緒に新宿二丁目に飲みに行くことにしたのです。
一軒目は、先輩のなじみのバー。
ママ(性別は男ですが)の挨拶は、
「こんばんは〜。あら、おホモだち〜?」
どこの店でもこれが定番の挨拶みたいです。
連れはみんな「お友達」じゃなく、「おホモだち」。
一軒目で、武藤さんを見かけることは当然なく、
楽しくお酒を飲みました。
すると、近くのゲイクラブでイベントをやっているというので、
観に行くことに。
入場料2千円くらいだったと思います。
新宿二丁目のバーのボーイさんたちがそれぞれチームを組み、
ダンスなどの出し物を披露するというもの。
お客さんは男性ばっかりかと思いきや、
女性もいたりしてなかなか楽しいパーティでした。
そして4組目の発表。
4組目の男たちは、全員Tバックで登場。
もはや完全にアレとかソレとか見えちゃってます。
そんなこともあり、盛り上がる店内。
先輩も隣で爆笑しています。
すると、ダンスを踊っていたTバックの1人が、ダンスを止めました。
そして僕に向かってくる!!
え!?な、なんだ!?客を巻き込んだサプライズ!?
そのTバックは、いきなり僕の胸ぐらを掴むと、
こう言ったんです。
「その男、だれなのよぅ!??」
よく見ると・・・
もうお分かりですね。
武藤さんです。
武藤さんのチームのみなさんも、
突然の出来事にびっくりしてダンスを止めています。
ただごとではないと思ったのか、
DJも音楽を止めてしまいました。
クラブというのに、なにこの静けさ・・・
拍車をかけるように、武藤さんが言います。
「答えてよっ!誰なのよっ、その男っ!!」
完全にオネエになっている・・・
というか、なんで僕が武藤さんの元カレみたいな設定に・・・
すると、ダンサーのみなさんが駆け寄ってきました。
「ちょっと!ひどいんじゃない!?」
「話がわからないけど、捨てられたの!?」
「あんまりよっ!!」
もうなにがなんだかわかりません・・・。
先輩を見ると、
「お前・・・ゲイだったのか・・・」
と顔に書いてあります。
これまた解説がめんどくさいぞ・・・。
もはや、言葉にすることがめんどくさい。
もう知らん!
っていうか武藤さんと付き合ってないし!
ってことで、先輩の誤解を解くことよりも、
まずこの場を逃げることを優先した僕は、
先輩を生贄にしてダッシュでその場から逃げ出しました。
すると、Tバックダンサーのみなさんが追いかけてくる!!
「まてぇ〜!!コラァァァァ〜!!!!」
もはやオネエではない。
ただのゴリラじゃねえか!!
僕は必死に走って、駅の改札を抜けました。
あんなに全力で走ったのは、人生初かもしれない・・・。
教訓:ゲイを敵に回してはいけない。
今回は、人生で重要なことを学びました。。。
次回はゲイの話ではないですよ!(笑)
それではまた!
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5位 |
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当コラムコーナーは、実話もフィクションも入り混じっています。読み物エンターテイメントとしてお楽しみいただく目的で掲載しており、記事の行為を推奨したり、犯罪を助長するものではありません。
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